PROJECT 日本の観光を変えるプロジェクト 5
訪日旅行者の満足度向上のために
受入体制を充実させる
1地域連携で訪日旅行者をおもてなし
2019年度の訪日外国人数は過去最高の3,188万人、そのうち2回以上日本を訪れたことのあるリピーターは約6割を占めている。2030年に訪日外国人数6,000万人を目指す上でリピーターの増加は非常に重要な課題だ。そのためには訪日旅行者の満足度を上げなければいけない。どんなに誘致しても、日本滞在中の満足度が低ければ、再度日本を訪れることはないからだ。
JNTOは海外プロモーションをはじめとする訪日旅行者を誘致する取り組みの印象が強いが、日本滞在中の訪日旅行者のサポートも重視している。観光案内所や訪日旅行者と直接やり取りをすることで現場の生の声を聞き、訪日旅行者の満足度向上に取り組み、未来のリピーターや日本のファンづくりの種まきをしている。
認定外国人観光案内所紹介ページ
2地域のコンシェルジュ、
JNTO認定外国人観光案内所
訪日旅行者の満足度を高めるために、大きな役割を担っているのが全国津々浦々にある外国人観光案内所だ。目的地への二次交通が分からない、 忘れ物をしてしまったなど、訪日旅行者が持つ困りごとに対応し、公平かつ地域ならではの旅行情報を提供し、訪日旅行者にとっての信頼できる貴重な情報源となる。さらに地元のおすすめスポットを紹介し、「また日本を訪れたい」と思われるようなおもてなしの対応で、訪日旅行者が日本のファンになり、再びその地域や日本を訪問されることが期待できる 。
JNTOでは、2012年より外国人観光案内所の認定制度を運用している。募集を行い、多言語や案内可能なエリア等により3つのカテゴリーおよびパートナー施設に分けて認定するものだ。認定案内所同士の連携をサポートし、定期的に研修会を実施することで、認定案内所の機能充実と質の向上を支援する。
誰もがインターネットを利用し簡単に情報を得られる社会で、認定案内所だからこそ地域のとっておきの情報を提供しており、まさに地域のコンシェルジュとなっている。
JNTO 直営ツーリストインフォメーションセンター(JNTO TIC)
3外国人観光案内所の更なる進化へ
全国に1,500か所以上ある認定案内所の質の向上のため、JNTOが行っている取り組みは認定制度だけではない。その一つが認定案内所のリーダー的存在であるJNTO直営のツーリスト・インフォメーション・センター(JNTO TIC)の運営である。JNTO TICは認定案内所で発生した課題を相談できる立場にあり、日々の問題に対しアドバイスをする。JNTO TICの運営のほか、Facebook、メルマガ、認定案内所専用サイトを用いてお役立ち情報を発信し、各認定案内所の取組みを共有する。さらには認定案内所のネットワークを構築、強化することで質の向上を目指す。
また、定期的に開催する認定案内所スタッフ向けの研修会では、ヴィ―ガン、サステナブルツーリズム、アドベンチャートラベル、デジタルマーケティングなど旅行トレンドの講座や語学研修を実施し、観光案内だけでなく認定案内所で対応できることを充実させる。
日々の地道な営みにより認定案内所は進化を続けている。
認定観光案内所認知度向上を目指したシンポジウム
4非常時でも訪日旅行者の安全安心を守るセーフティネット
訪日旅行者が日本旅行中に病気の発症やケガ、災害発生など非常時に陥ると、慣れない環境や言語の問題等で必要な情報を得られず、困難な状況に置かれることがある。JNTOでは訪日旅行者が安全・安心を確保できるよう、非常時のサポートを行っている。コールセンター「Japan Visitor Hotline」は、24時間365日、英語・中国語・韓国語で対応しており、緊急時案内(事故・病気等)・災害時案内・一般観光案内を行っている。インターネットがなくても電話がかけられれば問い合わせすることが可能だ。
JNTOのグローバルサイト内に設置しているチャットボットも災害時や観光時の情報を提供している。チャットボットに質問すれば、瞬時に知りたい情報を教えてくれる。
またTwitterとWeiboでも災害だけでなく気象情報・交通情報をリアルタイムで発信している。
認定案内所やコールセンターの運営では「人」を通じて、チャットボットやSNSではデジタルを通じて、様々な方法で多岐にわたる情報を発信し、訪日旅行者が不安なく安全・安心に日本を旅行できるよう業務にあたっているのが、当グループの特徴だ。
チャットボット画面
PROFILE
地域連携部 受入対策グループ
訪日旅行者が日本旅行中において、ストレスなく快適に観光を楽しむことをミッションに置いているグループです。日々の業務を通じて訪日旅行者の満足度向上に貢献できるよう、様々なサービスや事業の運用や改善に取り組んでいます。