日本の魅力を、日本のチカラに。JNTO 日本政府観光局

和歌山県「北山川観光いかだ下り」(c) Tanabe City Kumano Tourism Bureau

1市場のニーズに合った訪日プロモーション素材を全国各地から収集

訪日外国人旅行者の体験型観光などに対する興味関心の高まりを受け、JNTOでは、外国人旅行者が参加可能な体験型アクティビティや受入体制が整った特徴ある観光施設などの観光コンテンツを全国の自治体・DMO等から広く募集し、発信する取り組みを行っている。
現在、欧米豪・アジアの10市場向けに、各市場のニーズに合った観光コンテンツを選定し、「Experiences in Japan」というタイトルでJNTOウェブサイトにて10言語で掲載。また、「Tradition」「Outdoors」「Cuisine」「Cities」「Nature」「Art」「Relaxation」に分類し、情報発信している。また、特に各市場に訴求するコンテンツを100件抽出し、市場ごとのデジタルパンフレットを作成。収集した観光コンテンツを海外へ情報発信するとともにJNTOが実施する訪日プロモーション事業に広く活用することで、訪日外国人旅行者の誘致を推進する。

英語版デジタルパンフレット「100Experiences in Japan」

2外国人旅行者の目線で選定

インバウンド向けの観光コンテンツの収集においては、コンテンツが「外国人旅行者目線になっているか」を十分に確認することが重要である。訪日外国人旅行者にとっては言葉の壁の不安があるのみならず、そもそもアクセス情報が見つけづらい、海外からの予約が困難などのケースが散見され、コンテンツの魅力だけでは実際の訪問につながらない状況がある。
本事業で収集する観光コンテンツについては、外国語のウェブサイトや予約導線の有無、現地での多言語対応などの受入体制の充実度を基本事項として確認した上で、各市場の外国人有識者とJNTOの海外事務所がコンテンツの内容を評価し、その結果に基づき掲載するコンテンツを選定している。受入体制及び外国人視点という2つの観点から選定を行うことで、対象市場での訪日プロモーションにおいて訴求力のある観光コンテンツをの活用できると考えている。また、選定後の情報発信に際しても「外国人旅行者目線」は重要であり、外国人旅行者が求める・魅力的に感じられる情報をお届けできるよう、コンテンツの紹介記事はネイティブライターによる書きおろしを基本としている。


出羽三山および周辺で宿坊宿泊もできる山伏修行体験
(c) Yamabushido

3外国人旅行者目線から見た観光コンテンツ造成のポイント

外国人旅行者に好まれる観光コンテンツは市場ごとに違いが見られるが、本事業を通じて全市場に共通する観光コンテンツ造成のポイントも見えてきた。「外国人旅行者目線」に立って、以下4つのポイントを押さえて観光コンテンツの造成を行うことが重要となる。

  1. その土地に根差したストーリー性やテーマ性を有している
  2. 地元の人々とのふれあいや、地域資源を活用している
  3. 日本らしいユニークさや非日常体験を提供している
  4. 通常では利用できない希少性や限定感、エクスクルーシブ(独占的)な体験を提供している

外国人旅行者の受入体制を整えた上で、これら4つのいずれか、又は複数の要素を備えた観光コンテンツを造成し、その観光魅力を外国人旅行者目線で伝えることが外国人旅行者の誘客には効果的である。


静岡県「富士山を見ながらパラグライディング」

4地域の観光コンテンツの磨き上げのために

本事業では地域から観光コンテンツを収集するだけでなく、応募いただいた団体に対して、外国人有識者の評価ポイントやJNTOの訪日プロモーションでのコンテンツの活用状況をお伝えし、地域の観光コンテンツの磨き上げやさらなる受入体制整備に取り組んでいただき、コンテンツを高度化していくことを目指している。
各地の魅力ある観光コンテンツを、JNTOが積極的にPRすることで、訪日外国人旅行者に新たな地域への来訪を促し、地域の活性化につなげていく。その意味においても観光コンテンツの収集は地域と連携して実施していく必要がある。本事業では今後も地域から観光コンテンツを収集し、魅力ある観光コンテンツの発掘及び地域におけるインバウンド誘致活動の促進を目指す。

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PROFILE

地域連携部 地域プロモーション連携室

地域連携部 地域プロモーション連携室

インバウンドに取り組む地方自治体、DMO(候補含む)、観光関連団体等の地域と、JNTOの訪日プロモーションにおける連携強化を目的に設置された。本稿で一部を紹介したコンテンツ収集事業をはじめ、ホームページを通じた情報発信、各地での研修会・セミナーの開催、地域へのコンサルティングから広域連携DMOと連携したプロモーション事業まで幅広く事業を実施している。

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