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世界33カ国・地域からバイヤー258社が参加! 4年ぶりにリアル開催のインバウンド商談会『VJTM&VJMM2023』レポート

世界33カ国・地域からバイヤー258社が参加! 4年ぶりにリアル開催のインバウンド商談会『VJTM&VJMM2023』レポート

世界33カ国・地域からバイヤー258社が参加! 4年ぶりにリアル開催のインバウンド商談会『VJTM&VJMM2023』レポート

日本政府観光局(JNTO)は2023年10月26~28日の3日間、インバウンド関連ビジネスを創出する商談会「VISIT JAPAN トラベル & MICEマート 2023(VJTM & VJMM 2023)」を、大阪にて、4年ぶりの完全リアル形式で開催しました。世界最大級の旅の祭典「ツーリズムEXPOジャパン2023」との合同開催で、世界33カ国・地域から訪日旅行を取り扱う旅行会社258社と、日本全国の観光関係事業者300団体が集結。日本の新しい観光資源をアピールする等活発な商談が行われました。

日本最大級のB to Bインバウンド商談会を4年ぶりに完全リアル開催

VJTM & VJMM は、1996年から開催している国内最大級のインバウンド商談会です。2019年に大阪で開催して以降、2020年は開催中止、2021年はオンライン開催、2022年は東京でオンラインとリアルのハイブリッド開催となりましたが、2023年は4年ぶりにインテックス大阪にて完全リアルで開催することができました。そのため、会場内の随所で参加者同士が久々の再会を喜ぶ声が聞こえ、熱のこもった商談が行われました。

商談会には、海外33カ国・地域から訪日旅行を取り扱う旅行会社258社がバイヤーとして参加。300社・団体に上る日本国内の観光関連団体・事業者がセラーとして参加し、計7,395件の商談を行いました。商談は1枠20分間で、1団体当たり3日間で31枠を設定。事前にバイヤーとセラーの希望によってマッチングを行い、セラーがバイヤーのブースを訪問するバイヤー固定方式で実施しました。

参加した日本のセラーからは、「久々の完全リアル形式の商談会で、懐かしい面々にも合うことができとても楽しめた」や「非常に多くのバイヤーに直接PRできた良い機会となった」と満足の声が寄せられました。日頃から付き合いのあるバイヤーと対面で話ができたことや、海外に出張せずに新規バイヤーの開拓ができたこと、具体的な送客につながる商談が多かったことなどから、アンケートではセラーの58%から「満足できた」という最上位評価を得ました。また、成約の可能性がある商談件数は、1セラー当たり平均7件でした。

海外から参加したバイヤーは、新型コロナウイルスの収束後初めての完全リアル開催に期待を持って来日しており、情報収集やネットワーキングに熱心に取り組む姿が印象的でした。「新しいセラーに会う機会があまりないため、良い商談をすることができた(シンガポール)」「商談会場は素晴らしくまとまっており、非常に実り多いものだった(フランス)」という声が聞かれ、バイヤーの72%から「満足できた」と高い評価を得ました。

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開催2日目には新たな取り組みとして、JNTOが推進する3つのテーマに特化した商談の分科会を実施しました。商談会場とは別に設けた会議室に「アート・カルチャー」「アドベンチャートラベル(AT)」「サステナブル・ツーリズム」の3つのテーマに沿った商材をPRしたいセラー各10社程度と、各テーマを取り入れたツアーの造成に関心が高いバイヤー各10社程度が事前申し込みの上、集まりました。セラーが英語でプレゼンを行った後、1セッション7分間の短い商談を全社総当たりで実施し、特定のテーマに関心があるセラーとバイヤー同士のネットワーキングが促進されました。

[バイヤー参加国・地域(順不同)]
韓国、中国、香港、台湾、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、インド、豪州、ニュージーランド、米国、カナダ、メキシコ、ブラジル、英国、イタリア、オランダ、スペイン、ドイツ、スイス、オーストリア、フランス、ベルギー、デンマーク、スウェーデン、イスラエル、アラブ首長国連邦、カタール、日本

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(左)商談の様子/(右)ブレイク中

2025大阪・関西万博に向けた機運醸成の取り組み

VJTM & VJMM 2023と合同開催した「ツーリズムEXPOジャパン2023」では、2025大阪・関西万博をPRするブースが日本国際博覧会協会によって設置されました。イベントには大阪・関西万博公式キャラクターのミャクミャクも登場し、来場者に向けて万博の魅力が発信されました。JNTOもツーリズムEXPOジャパン及び日本国際博覧会協会と連携しながら、VJTM & VJMMの海外バイヤーに対して、以下のような万博の情報発信に取り組みました。

開催3日目には、バイヤーがツーリズムEXPOジャパンの会場をテーマに沿って視察する5種類のミニツアーを実施。大阪・関西万博コースには20人が参加し、会場内の「大阪・関西未来ゾーン」を訪れ、展示を視察しながら担当者の説明に熱心に聞き入りました。イタリアのバイヤーからは「多くの情報が得られた。万博に対するイタリア市場の注目度は非常に高く、大きな需要が見込まれている」と万博への期待の声が寄せられました。

商談会終了後の10月28日からは、タイや中国、台湾などのバイヤー20人が万博をテーマとしたファムトリップに参加。建設中の万博会場を俯瞰できる会議室で、日本国際博覧会協会の担当者から万博の見どころやチケット購入に関する説明を受けました。その後、新旧の万博を比較するため、大阪・吹田市にある万博記念公園を訪れ、「EXPO'70パビリオン」と「太陽の塔」を見学。10月29日には岡山で「空飛ぶクルマ」を研究する団体のレクチャーを受けた上で実機を視察しました。

JNTOは、万博による経済効果を全国に波及させる取り組みとして「万博+観光」の推進に取り組んでいます。その一環として、万博を訪れた際に、万博と同年に開催される「瀬戸内国際芸術祭」を含めて周遊するモデルコースをバイヤーに提案するため、ファムトリップに小豆島のアート作品や観光施設を視察に組み込みました。離島への移動には時間がかかるため短時間の視察となってしまいましたが、バイヤーからは、「美しい島と素晴らしい景色(タイ)」、「見られる作品が限定的で惜しかった(韓国)」という声が聞かれました。

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(左)ツーリズムEXPOジャパン会場の視察/(右)空飛ぶクルマ視察

海外バイヤー約200人が西日本の観光資源を視察するファムトリップに参加

商談会終了後、万博をテーマとしたFAMトリップを含めた西日本で11コース(3泊4日を4コース、2泊3日を7コース)の視察旅行を催行し、バイヤー202名が参加しました。「持続可能な観光」を推進するため、オーバーツーリズムを避け、海外にまだあまり知られていない観光地や新しい観光資源を中心に視察しました。
「九州北部コース」では、有田焼の工房見学や伊万里での散策を行い、参加者の多くが「街全体で伝統工芸品を生産しており、とても美しい」と感銘を受けたようでした。「四国MICEコース」では、淡路島の禅坊靖寧や阿波踊り会館、栗林公園などを訪れ、参加者からの評価が非常に高く、83%が「満足した」と回答。インドネシアのバイヤーは「四国を訪れたのは初めてだが、間違いなく素晴らしい経験。この旅程を私のクライアント、特に何度も日本を訪れたことがある顧客に提案したい」と話していました。「瀬戸内コース」については、イタリアのバイヤーからは、「今回体験したコースを顧客に提案したい」と、すぐに施設のコンタクト先の確認がありました。

JNTOでは訪日外国人旅行者1人当たりの消費額向上と滞在日数の増加を目指しており、視察旅行の全コースにアクティビティーを盛り込みました。「九州南部コース」では高千穂神社での神楽鑑賞、「山陰コース」では鳥取砂丘でのサンドスライダー体験、「山陽コース」では広島でのお好み焼き作り体験、「瀬戸内コース」では来島海峡大橋サイクリング、「奈良コース」では若草山山頂でのヨガ体験と明日香村でのサイクリングなどを設定。訪れた地域らしい魅力が伝わるアクティビティーをバイヤーに実際に体験してもらい、訪日ツアーに組み込んでもらうことを狙っています。「奈良コース」に参加したアメリカのバイヤーからは、アクティビティーに対して「大阪近郊で混雑が少なくアクティブなオプションを探している人々に良い選択肢だ」と高評価を得ました。

一方で、東アジアのバイヤーからは「今回のファムトリップの旅程は、欧米の観光客の好みに偏っていた」との指摘もあり、全市場から参加するVJTM & VJMMファムトリップの訪問先の選定について課題が残りました。ファムトリップのコースは、「団体観光向け」「個人旅行向け」「団体・個人両方」に分けており、さらに各コースには「万博」や「アドベンチャートラベル」、「ガストロノミー」などの特徴あるテーマも設定していますが、次回は対象とテーマをより明確にし、ミスマッチを防いでいきたいと考えています。また、今回2泊3日のコースでは各視察先で十分な滞在時間を確保することが難しく、視察を詰め込んだファムトリップになってしまったことから、次回は3泊4日コースを増やすことを検討しています。
今回訪問したエリアを含む訪日ツアー造成の予定について、参加したバイヤーにアンケートを行ったところ、計310本を検討するという結果が出ており、今後、世界各地からのインバウンド客の来訪が期待されます。

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(左)「瀬戸内コース」サイクリング/(右)「四国MICEコース」禅体験

ファムトリップ実施概要
開催日時:2023年10月28日(木)〜31日(火)

(1)九州北部コース(福岡・佐賀・長崎)
  チームラボフォレスト、博多屋台、糸島、トトロの森、武雄温泉、有田焼工房、伊万里町、祐徳稲荷神社、グラバー園、出島
(2)九州南部コース(宮崎、熊本)
  青島神社、AOSHIMA BEACH VILLAGE、綾の照葉大吊橋、綾自然蔵、高千穂神楽、高千穂神社、阿蘇カルデラツーリズム、乗馬体験、
  熊本城、水前寺公園
(3)大阪・関西万博コース(大阪、岡山、小豆島)
  万博協会プレゼンテーション、万博記念公園・太陽の塔、児島ジーンズストリート、「空飛ぶ車」レクチャーと視察、瀬戸内国際
  芸術祭アート作品、醤の郷
(4)中国・山陽コース(広島・山口)
  広島市内自由行動、お好み焼き体験、縮景園、広島市現代アート美術館、本家松がね、錦帯橋、宮島
(5)中国・山陰コース(島根・鳥取)
  由志園、堀川遊覧船、大山枡水フィールドステーション、天空リフト、鳥取砂丘アドベンチャーツアー、星空観測ツアー
(6)瀬戸内コース(広島)
  千光寺、ONOMICHI U2、来島海峡大橋サイクリング、AZUMI SETODA、高速クルーザ―SEA SPICA
(7)関西コース(奈良)
  若草山ヨガ体験、東大寺、梅乃宿酒造、吉野町散策、明日香村サイクリング
(8)関西コース(三重)
  伊勢神宮、おかげ横丁、VISON、あご湾遊覧クルーズ、ミラドール志摩、真珠とりだし体験
(9)関西コース(福井・滋賀)
  近江八幡、彦根城、永平寺、越前和紙の里、デザインストア&漆器工房サバストア、若狭鯖街道
(10)関西コース(大阪・兵庫)
  中之島散策、水上バスアクアライナー、殺陣体験、神戸酒心館、劇場型アクアリウムアトア、篠山城、篠山城下町ホテル、NIPPONIA、
  立杭陶の郷
(11)四国MICEコース(淡路島・徳島・香川・大阪)
  禅坊靖寧・禅体験、大塚国際美術館、阿波踊り会館、高松城跡玉藻公園、やしまーる、栗林公園、大阪迎賓館、大阪城西の丸庭園

※(1)~(3)(11)は3泊4日、(4)〜(10)は2泊3日



次回のVJTM & VJMMは、2024年9月26日~28日に東京ビッグサイトで開催予定です。開催概要や申し込み方法は、2024年4月以降、JNTO公式ホームページの報道発表・お知らせ欄で順次公開いたします。