2020年3月18日
ソーシャルリスニングを活用したSNSコンテンツ最適化のコツ(JNTOデジタルマーケティング連載vol.5)
投稿のネタ探しに行き詰まったり、投稿結果の分析に悩んだり。FacebookやInstagramなどを運用する中で、どんなSNSコンテンツが外国人に効果的なのか、疑問に思った経験はありませんか。JNTOデジタルマーケティング室では2019年度、『ソーシャルリスニング』を活用したSNSコンテンツの最適化に取り組みました。そこで「ソーシャルリスニングとは」「SNSコンテンツ最適化のコツ」といった、取り組みを通して得た知見やノウハウをご紹介します。自治体やDMO等の皆様の参考になれば幸いです。
ソーシャルリスニングとは
ソーシャルリスニングとは、オンライン上の声を集めて分析するマーケティング手法です。SNS、ブログ、掲示板などの投稿や書き込みの内容を専用ツールで網羅的に収集して、アナリストが定量と定性の両面から分析します。
たとえば、「Japan」という言葉が入った投稿の内容や、「Cherry Blossom Japan」の話題量が増えた時期などを可視化することができます。
ラグビーワールドカップのソーシャルリスニングで得た知見を、東京オリンピック・パラリンピックへ活かす(JNTOの取り組み事例)
ラグビーワールドカップの盛り上がりを、ソーシャルリスニングで分析
2019年に日本で開催されたラグビーワールドカップ(RWC)の際、JNTOではソーシャルリスニングを実施。その結果、RWCに関する投稿などの「話題量」は2019年8月下旬からじわじわと増え続け、9月や10月に入るとグラフの赤丸(下記の資料1内)のような“話題量の山”が発生したことが判明しました。こうした定量分析から明らかになったデータを見ることで、RWCの盛り上がりがわかります。
続いて、データを深掘りしてみましょう。すると、9月は駐日英国大使館による投稿が拡散されたこと。10月下旬はイングランド元ラグビー選手による開催国日本と日本のラグビーチームに関する投稿が拡散されたことが、盛り上がりのきっかけになったとわかりました。こうした定性分析によって、インフルエンサーが果たす役割も見えてきたのです。
資料1:【JNTOデジタルマーケティング室】ソーシャルリスニングを活用したPDCAサイクルの実践
ソーシャルリスニングで得た知見を、東京オリンピック・パラリンピックへ活かす
ソーシャルリスニングを実施して見えたラグビーワールドカップ(RWC)の盛り上がりの傾向は、東京オリンピック・パラリンピックへ向けた情報発信に活用できます。たとえば、RWC時の話題の量と内容の時期を参考に「東京オリンピックの〇ヵ月前あたりから××を投稿するのはどうだろう」といった仮説を立てることができます。データを可視化し投稿の計画を立てることで、PDCAサイクルが稼働していくのです。
ソーシャルリスニングを活用した、SNS運用のPDCAとコンテンツ最適化のコツ
JNTOが実施している、ソーシャルリスニングを活用したSNS運用のPDCA
JNTOデジタルマーケティング室では、ソーシャルリスニングを日々のSNS運用にも取り入れています。ラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックといったメガイベントだけでなく、日々の投稿のPDCAにも役立つと考えているからです。
【ソーシャルリスニングを活用したPDCA】
Plan:訪日旅行に関するソーシャルリスニングを実施し、ポジティブに話題量が増えているトピック(前項の例では「ラグビー」)を見つけ出す。
Do:そのトピックを含む画像や投稿文を作成してSNSに投稿する。
Check:投稿後に改めてソーシャルリスニングを実施し、SNSインサイトデータも照らし合わせながら投稿効果を分析する。
Act:分析結果を次の投稿に活かす。
SNSコンテンツの最適化でリーチ数が3倍、いいね数が3.7倍に
ソーシャルリスニングを日々のSNS運用に取り入れ、PDCAを回した成果も出始めています。
たとえば、ソーシャルリスニングで“宿場町”の人気が高まっている傾向を把握。JNTOのFacebookアカウント「@visitjapaninternational」にて福島・大内宿の四季を紹介する記事を投稿したところ、リーチ数が通常の3倍、いいね数は3.7倍に伸びました。
実は以前に一度、福島・大内宿の投稿は実施したのですが数値は伸び悩みました。そこで、SNSインサイトデータを参考に前回投稿の画像選定に課題があったと仮説を立て、ソーシャルリスニングで得た傾向を踏まえて再度投稿を実施。その結果、エンゲージメント数が大幅に伸びたという好感触を得た事例です。
資料2:【JNTOデジタルマーケティング室】ソーシャルリスニングを活用したSNS投稿改善の事例
データに基づいてPDCAを回す。JNTOデジタルマーケティング室が発足して以来、意識して繰り返し取り組んできたことです。その結果はSNSのみならず他のプロモーションに応用できる可能性を秘めています。下記はJNTOが運用する各種オウンドメディアです。皆様の日々の情報発信のヒントに、ぜひご覧ください。
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