2025年11月18日
2025年度「第28回JNTOインバウンド旅行振興フォーラム」開催レポート

日本政府観光局(JNTO)は2025年9月4日・5日、JNTO賛助団体・会員の皆様を対象に「第28回JNTOインバウンド旅行振興フォーラム」を品川プリンスホテルにて開催しました。本フォーラムは、海外拠点の事務所長による市場動向の講演や個別相談を通じ、インバウンド市場への理解を深めていただく機会として毎年開催しているものです。2日間で延べ700名以上の皆様にご来場いただき、リアルタイムでのオンライン配信も実施することで、ご来場いただけなかった皆様にも広く情報を届けることができました。本レポートでは、フォーラムの概要と今後のJNTO賛助団体・会員向けサービスについてご紹介します。
JNTO賛助団体・会員の皆様向けの年次最大イベントで探る訪日市場と戦略
- 訪日旅行市場の最新動向を解説
2025年10月時点の推計によれば、訪日旅行者数は過去最速で3000万人を突破し、訪日旅行市場は現在も著しい成長と変化を続けています。こうした市場の活況を背景に、講演会では各海外事務所長が、各国・地域の市場概況に加え、旅行者の嗜好や行動傾向など、市場ごとの特性を基礎情報とともに説明しました。一例として、韓国市場とドイツ市場の講演内容をご紹介します。
韓国市場に関する講演では、2024年の訪日韓国人旅行者が全体の23.9%を占め、過去最高を記録したことが報告されました。一方で、宿泊地が東京・大阪・福岡に集中しているのが課題となっています。こうした状況を踏まえ、ソウル事務所ではリピーター層を対象に、大都市圏以外の魅力を発信する取り組みとして、現地旅行会社との共同広告を展開しています。広告では、帯広・青森・新潟・名古屋・静岡・米子・岡山・高松・対馬・佐賀・熊本の11都市の商品が紹介されるなど、韓国市場から日本の地方誘客の促進を図っています。
ドイツ市場に関する講演では、ドイツ経済の見通しが決して芳しくない中でも 、ドイツ発アウトバウンド消費は増加傾向にあり、訪日旅行者数も同様に増加傾向にある旨が報告されました。ドイツ市場では訪問先の多様化を一層図るべく、ドイツ人が関心を持つ、自然やアウトドアをきっかけとした訴求力を高めています。情報発信においては、欧州最大アウトドア映画祭での広告や、ドイツアウトドアブランドのウェブサイト・雑誌等での日本特集・ショップ内イベント、ドイツ全国本屋チェーンと連携したオンライン・オフラインのプロモーションを実施している他、世界最大級のBtoC観光見本市「サイクリング・ハイキング・旅行博(CMT)」への出展機会を活用しています。また、商品造成の取組みでは、欧州最大級のBtoB観光見本(ITB)への出展や旅行会社招請等も予定しています。このような取り組みも奏功し、ドイツのツアーオペレーターにおいても、日本ブームで取扱いが増加し、地方泊も徐々に増えている旨報告がありました。
ご参加いただいた皆様からは、「各エリアの最新動向を知ることができた」「効率よく多方面の市場について聴講でき、自社のターゲティングに役立った」など、現地のリアルな情報に対する高い関心と評価の声が寄せられました。
- 個別相談で深める市場理解
個別相談会では、賛助団体・会員の皆様を対象に、海外事務所長およびJNTO本部各部署との一対一の相談の機会を設けました。多くの方にご参加いただき、各市場における具体的な課題や今後の取り組みについて、相談件数は850件以上となりました。
また、各団体の状況に応じて、既存ターゲット層へのアプローチの深化や新規市場の開拓に関する相談も寄せられ、JNTOからは今後の施策検討に向けたアドバイスを行いました。

▲個別相談会の様子
- 賛助団体・会員の皆様によるBtoB連携の促進
昨年度に引き続き、本年度も賛助団体・会員の皆様同士の関係構築を目的として、会場内に「BtoB企業PRデスク」を設置いたしました。本デスクについては多数のお申込みをいただき、各社・団体の皆様には、商品・サービスや取り組み内容をご紹介いただく機会を設けることができました。また、講演会会場の休憩時間には、各団体の取り組みについての紹介動画も放映いたしました。出展者からは、「デスク出展において新しい出会いもあり、非常に有意義な時間を過ごせた」との声があり、実際に名刺交換や今後の連携に向けた話し合いが行われるなど、具体的な成果も見られました。企業PRデスクの設置を通じて、参加事業者間の情報交換が促進され、地域間・業種間の新たな連携の可能性が広がりました。地域と考える観光戦略
本フォーラムでは、海外事務所長による講演に加え、日本国内の自治体や観光事業者の皆様にもご協力いただき、インバウンドに関する取り組みを紹介するパネルディスカッションとトークセッションを実施しました。
市場横断プロモーション部によるパネルディスカッションでは、高付加価値旅行のコンテンツ造成をテーマに、ガイドの役割や自治体・観光事業者との連携に焦点を当てた議論を展開しました。JNTOでは、特設ウェブページ「JAPAN. WHERE LUXURY COMES TO LIFE」などを通じて高付加価値旅行の魅力を発信していますが、こうしたコンテンツを支える重要な要素として、ガイドの存在が挙げられます。当日は、全国通訳案内士の曽我悠様、伊藤えりか様、高付加価値旅行のプロデュースに携わる株式会社JAPAN PRIVATE TOURのラフマン・アフラ様、そして自治体の視点から石川県国際観光課の北口義一様にご登壇いただき、現場での取り組みや課題について意見を交わしました。
また、地域連携部によるトークセッションでは、「にし阿波」における官民連携のインバウンド戦略をテーマに、徳島県地域創生観光部の三宅啓之様と大歩危・祖谷いってみる会の大平修司様にご登壇いただきました。「地域全体を売る」という視点からの体制づくりや、それぞれの立場での取り組みをご紹介いただき、地方部での誘客に向けた実践的なヒントとして参加者の関心を集めました。

▲地域連携部によるトークセッション
JNTO賛助団体制度と会員サービス
JNTOでは、世界各地の主要都市に設置している海外事務所を中心に、独自のネットワークを活用しながら、地方公共団体・関係機関・民間企業の皆様のインバウンド観光振興に役立つ情報の提供や、連携による情報発信等を行っています。
地域連携部会員サービスグループでは、賛助団体・会員制度を通じて、「インバウンド旅行振興フォーラム」をはじめ、各種セミナーの開催、海外旅行市場の動向・トレンドに関する情報提供、JNTOオウンドメディアを活用した情報発信支援、海外でのセールス活動を通じたネットワーク構築支援など、幅広いサービスを展開しています。
賛助団体制度や会員サービスに関するご質問がございましたら、会員サービスグループまでご遠慮なくお問い合わせください。

