2024年11月13日
「第27回JNTOインバウンド旅行振興フォーラム」開催レポート
日本政府観光局(JNTO)は2024年9月5日・6日に「第27回JNTOインバウンド旅行振興フォーラム」を東京・品川の品川プリンスホテルで開催しました。 このイベントはJNTOの賛助団体と会員を対象に毎年開催しているものです。当日は全26拠点の海外事務所長らが一堂に会し、各市場の最新動向などについて解説しました。また、ゲストスピーカーを招いてのトークセッションやパネルディスカッションも実施し、地域の取り組み事例や日本のサステナブル・ツーリズムなどを紹介しました。
海外現地の「生の情報」を直接お届けするJNTO賛助団体・会員様向け最大規模イベント
各市場の最新動向や今後の取り組みなどに関する講演を実施
訪日旅行市場は、絶え間なく変化し続けています。そのため講演会では、海外事務所長らが各市場の訪日旅行を取り扱う旅行会社の動向や、日本への航空路線の状況など最新の市場概況を説明しました。
また、「観光立国推進基本計画」を踏まえて策定した「訪日マーケティング戦略」に基づいた各市場におけるターゲット別の訪日プロモーションスケジュールや、具体的な取り組みも紹介しました。
参加者からは「現地の旅行会社の情報は大変有益」「市場の特性、旅行動向を把握できたので、今後のアプローチの参考になった」といった声が寄せられました。
各団体・企業との対面式面談
JNTOでは、賛助団体・会員向けにオンラインで個別に相談できるサービスを通年でご提供していますが、「インバウンド旅行振興フォーラム」では、海外の各拠点で日頃から現地の最新情報に触れている海外事務所長らと対面でお話しいただける個別相談を実施しています。
今回の個別相談では、各海外事務所長に加え本部の担当部署職員によるコンサルディングの機会も設定し、高付加価値旅行やMICE、デジタルマーケティングといったテーマ別のご質問にお応えするとともに、JNTOのさまざまな取り組みを知っていただく機会をご提供しました。
賛助団体・会員の取り組み状況や課題について、海外事務所長や本部担当部署職員がコンサルティングを行うこの個別相談はとても人気があり、参加者からは「自分たちの方針、施策に役立つ率直な意見を聞けた」「データに基づいたアドバイスをしてもらえた」といった声が聞かれました。
多彩なゲストスピーカーとのトークセッション・パネルディスカッション
日本国内のインバウンドに関する取り組みについては、トークセッションとパネルディスカッションを実施しました。
各団体・企業が地域でどのようなことに取り組み、どのような役割を果たし、どのような効果に結び付けているかについて、ゲストスピーカーにお話しいただきました。
MICE部門では、札幌国際プラザの荻麻里子様が、2024年5月に開催された東南アジアの旅行関係団体「ASEANTA」の総会での実体験に基づき、北海道の魅力発信のために設定したテーマや、MICE開催の意義と地域にもたらす効果について紹介してくださいました。
地域連携部門では、群馬県産業経済部の松本佳祝様より、地方自治体がインバウンド促進に取り組む意義や戦略、県を越えた取り組み、専門的な人材を育成する重要性についてお話しいただきました。海外への情報発信や現地の関係者との関係構築については、JNTO賛助団体・会員制度の活用事例も併せて紹介いただきました。
また、観光への取り組みにおいては近年、サステナブル・ツーリズム(持続可能な観光)の概念が大きな広がりを見せています。サステナブル・ツーリズムとは、「旅行者、観光関係事業者、受け入れ地域にとって、『環境』『文化』『経済』の観点で、持続可能かつ発展性のある観光を目指す」ことですが、言葉が広義であるがゆえに「具体的に何に取り組めばよいのかわからない」という課題を抱えるケースも少なくないようです。
そこで今回は、サステナブル・ツーリズムをテーマとしたパネルディスカッションも実施。越前市観光協会の上城戸佑基様、Tricolage株式会社の吉田史子様、株式会社石見銀山群言堂グループの松場忠様をパネリストにお招きし、それぞれの団体・企業の観点から実際に取り組んでいる内容をお話しいただきました。旅行者が満足することはもちろん、観光を通じて地域の文化や経済、環境にも良い影響を与えられるように、地域と観光事業者それぞれの考えを共有する重要性について議論を深めました。
参加者からは「『サステナブル』の在り方を理解することができた」「具体的な事例と施策が盛り込まれた内容で参考になった」といった声が聞かれました。
日本国内インバウンド関係者間のつながりを支援
会場にはJNTO賛助団体・会員間のビジネスマッチングの促進、商品・サービスのPRを目的として、自社PRができるデスクを設置しました。日本国内でインバウンドに取り組む団体・企業が一堂に会する機会であることから、「多くのインバウンド事業者と情報交換できた」という声もいただきました。
JNTO賛助団体制度と会員サービス
水際措置の緩和以降、インバウンド市場は回復の兆しを見せており、旅行業や宿泊業だけでなく、さまざまな業種がインバウンドビジネスに参入し始めています。JNTOでは、世界の主要都市に設置している海外事務所を中心に構築している独自のネットワークを生かし、インバウンド事業の展開を支援しています。
地域連携部会員サービスグループでは、「インバウンド旅行振興フォーラム」のほか、セミナーなどを通じた訪⽇旅⾏市場に関する情報提供、海外への情報発信による地域や施設、サービスなどの認知度向上、海外セールスによるネットワーク構築を支援するサービスをご用意しています。 賛助団体制度と会員サービスについては、随時詳細を説明する機会を設けています。関心をお持ちいただきましたら、ご遠慮なくお問い合わせください。