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多くの外国人を集める熊野本宮観光協会の取り組みと課題

多くの外国人を集める熊野本宮観光協会の取り組みと課題

多くの外国人を集める熊野本宮観光協会の取り組みと課題

2004年に登録された世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に含まれる熊野本宮大社の観光に関する取り組みを行う熊野本宮観光協会。外国人から高い人気を誇る観光地が行う取り組みと抱える課題について熊野本宮観光協会主任の小渕良樹様にお話を伺いました。

公式サイト
https://www.hongu.jp/

欧米豪を中心とした外国人に人気の熊野地域

2004年に世界遺産に登録されたことや、ミシュランのグリーンガイドの日本版で熊野古道、熊野三山、熊野本宮大社が3つ星を獲得したこともあり、熊野一帯は、外国人から高い注目を集めている。平成29年の宿泊者の統計を見ると、国別訪日客が最も多いのがオーストラリアであり、その次にアメリカが続く。またスペインやフランスをはじめとするヨーロッパ全体からの観光客が非常に多く、欧米豪からの観光客が多いことが特徴である。このことについて、小渕様は、「スペインの「サンティアゴ・デ・コンポステーラの道」と熊野古道の共通巡礼手帳を作り、スタンプを集めてもらうなど、そういった 他にも熊野が持つ歴史や文化、禅の雰囲気が受けていると思います。」と語った。

熊野を訪れる外国人への受け入れ態勢

世界遺産登録時と比較すると、40倍もの外国人宿泊者がいるほど、外国人観光客を集める熊野地域。増加する外国人観光客に対する受け入れ態勢に力を入れて取り組んでいるという。「熊野本宮観光協会があるこの世界遺産熊野本宮館ができたときは本当に外国人も少なかったので、英語ができる職員もいませんでした。平成23年くらいから、必ず英語対応できるスタッフが窓口に出る体制をとっています。また、お客様対応はお正月もお盆も関係なく9時から17時まで行なっています。土日祝日対応の観光協会は本宮町がこの辺りでは一番早かったと思います。それぐらい本宮町は観光には力を入れていますから。」と語る。他にも、熊野古道沿いに英語表記の看板を設置するなど、外国人スタッフの外国人目線の意見も取り入れ、受け入れ態勢を強化している。「最初は外国人お断りという宿泊施設や店舗があったのですが、これだけ外国人観光客が来てくれていることや、外国人スタッフの協力、田辺市熊野ツーリズムビューローの取り組みの積み重ねなどもあって、今では歓迎してくれています。英語が喋れなくても様々な外国人との意思疎通ができているみたいですね。」と、変化が現れていることを感じている

熊野本宮観光協会が抱える今後の課題

今後の課題として、小渕様は、「ひとつの課題として人手不足っていうのはやっぱりありますね。人口もどんどん減っていますし、その中でも英語を喋れる方は少ないですから。人材不足っていうのはこれからの課題になってくると思います。」と語る。そこで、人材不足の解消の目的として、インターンの学生受け入れを3年程前から行なっており、夏休みに、窓口業務や各宿泊施設へ行って業務を体験することが出来る仕組みを始めた。

そんな中で、本宮町にイベントの手伝いに来ていた大学生たちが、卒業をきっかけに本宮町で「くまのこ食堂」という飲食店を昨年オープン。手伝いに来てくれている中で、飲食店があまりない、それもインバウンド客の需要が高い夜開いている飲食店がほぼないという課題に気付き、夜も営業する店をオープンした。「今後このような事例をもっと増やして、人材不足を解消していきたいですね。」と語った。

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