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2010年8月31日

訪日教育旅行も激増する中国

-7 月に08 年通年実績を上回る1.1 万人超-

 2010 年7 月、中国からの訪日外客数は165,100 人と単月ベースで過去最高を記録しましたが、その一部を構成していた小・中・高校生を対象とする教育旅行に関しても驚異的な実績となりました。新型インフルエンザ問題によりキャンセルが続出した2009 年から一転、2010年7 月だけで訪日教育旅行申請者数(注)が11,736 名(別紙を参照)に達し、過去最高を記録していた2008 年の通年分を超える生徒が一気に来日したこととなります。

長崎県、長野県などが誘致に成功

 訪日教育旅行については、例年中国の夏休みと日本の学期中が重なる7 月に集中しますが、わずか1 ヶ月の間に1.1 万人超の教育旅行を集中的に受け入れるインパクトは絶大で、ひとつの地域で数千人単位の実績を上げるケースもあり、関係者を大いに驚かせました。日本で最も早い段階から教育旅行に着目し誘致事業を展開してきた長崎県では、長年の実績と充実した学校交流プログラムなどを強みに、上海市や山東省などの小中学生を中心に夏期だけで3,000 人以上の誘致に成功しています。また、首都圏(成田)・近畿圏(関空)の両方からアクセスしやすい地の利があり、大都市にはない豊かな自然環境などを活かしたプログラムを積極的にセールスする長野県も、江蘇省や広東省の小中学生を中心に約2,000 名を誘致しました。

2010 年夏期の主な傾向

 2010 年夏期における傾向として、特に以下の3 点が注目されます。

① 学習テーマにおける「環境対策・保護」の重視
中国の教育行政・学校関係者や保護者が、日本の環境対策や環境技術を高く評価。上海万博の中国館でも強く演出されている「自然と調和した社会・生活」が実現された事例の体験や、社会インフラ・環境ビジネスの先進事例を学習・見学するプログラムが中国政府の意向にも合致。

② 自校のみで参加者を集め単独催行をする地域の増加
JNTO 中国事務所の調査によると、北京市・天津市・黒龍江省・遼寧省・広東省などでは、従来多く見られた複数の学校で参加者を募る共同催行ではなく、自校のみで教育旅行参加者を募集・催行する例が増加。

③ 江蘇省が中国最大の教育旅行市場に躍進~2008 年比で4.4 倍増
2006 年から、JNTO 上海事務所と長野県で本格的な需要喚起と関係者ネットワークづくりに着手。また、長野県・愛知県などによる中国側関係者との継続的な交流・意見交換を通じて、受入プログラムや学習テーマの工夫・充実を図りながら、積極的なプロモーション活動を展開。

将来の有力な訪日旅行客(リピーター客)の育成に繋がる教育旅行

 日本は、英語研修をPR ポイントとする欧米豪等の先進諸国と比べても、距離・時間・経済的なコストや、安全・衛生面における競争力があるだけでなく、今日の中国が強い関心を寄せる学習テーマの分野でも優れたコンテンツを数多く有しています。対象地域の拡大や訴求テーマの多様化といった効果的なプロモーションを継続することで、訪日教育旅行をさらに拡大・促進させることは十分に可能です。また、感受性の強い青少年期に訪日旅行を経験することは、日中の相互理解・人的交流を促進するだけでなく、将来の有力な訪日旅行客(リピーター客)の育成にも通じることから日本政府としても非常に重視しております。

 JNTOでは、今後も期待の大きい訪日教育旅行の動向を注視・分析するとともに、引き続き日本側関係者の皆様に対し市場動向の情報発信に努めて参ります。

(注)教育旅行を目的とする訪日旅行については査証免除となっており、中国の日本大使館・総領事館において手続きを行う。「訪日教育旅行申請者数」とは、これら在外公館の査証免除の申請者の数を指す。


別紙:中国本土からの訪日教育旅行の推移と現状(PDF、121KB)

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海外プロモーション部
薬丸・木村
03-3216-1902