東日本大震災後の復活に向けた訪日観光旅行の状況について
日本政府観光局(以下、JNTO)は、東日本大震災以降、大きく落ち込んだ訪日旅行の早期復活に向け、様々な取り組みを行っています。JNTOウェブサイトを通じて理事長の感謝のメッセージを世界各国・地域の訪日旅行者層に伝えるとともに、海外の一般消費者の目線に立った正確な情報発信を継続、JNTO海外13事務所による現地旅行会社や航空会社を対象とした説明会、セミナーの開催などを通じて、日本の観光地の現状や震災復興に向けた日本の取り組み等についての理解の醸成を図ってまいりました。さらに、観光庁と連携してビジットジャパン(VJ)事業の対象市場である全15市場において、緊急対応事業等を企画し実施してまいりました。
大震災から半年が経過した主な市場のVJ事業等のトピックス等については、以下のとおりです。
1.韓国
・6月上旬、航空会社、船舶会社と連携して、旅行会社を15コースに290人、同様にメディアを7コースに53人を招請し、視察旅行を実施した。特に6月下旬には、エアバスA380の成田就航を記念して大韓航空と連携し、訪日旅行商品の販売実績が多い韓国の大手旅行会社23社の社長とメディア2社、合計25名を招請、東京、箱根、鎌倉などを視察した。また、旅行会社、航空会社42社と連携して、共同広告を各日刊紙に掲載し、訪日旅行需要を喚起した。
・9月2日~5日に開催された釜山国際観光展に出展した。Wii(任天堂のゲーム機)を使ったイベントで行列ができたほか、浴衣を着たスタッフと一緒に写真を撮っている姿なども見かけられ、多くの来場者で賑わい、好評を得た。全体の来場者は約9万人で、昨年度を上回る盛況ぶりであった。
前日の9月1日には「ビジット・ジャパン(VJ)韓国現地商談会」を開催した。日本側32団体(47名)、韓国側43団体(67名)が参加し、終了間際まで商談を続けるブースがあるなど、日 本側・韓国側双方の誘客・送客意欲の高さが感じられた。
・9月25日より、ソウルから震災被災地である仙台への定期便(アシアナ航空)が再開されるのに合わせて、仙台再就航記念商品を含む共同広告を実施し、東北への旅行需要の回復に向けた取り組みを開始した。
2.中国
・JNTOが、中国で最も有名な日本人コラムニストである加藤嘉一氏の日本視察旅行を支援した。9月7日から10日まで、奈良、京都、伊豆長岡、東京などを訪問。寺社、日本料理、旅館、温泉、秋葉原などについて、連日「微博」(中国版Twitter)でつぶやきを発信、滞在中だけでそれぞれ3,000件以上の転載やコメント数を記録した。
・7月から8月にかけて招請した北京、上海、広東省等からのメディアにより、元気な日本の姿がテレビ、新聞、主要検索サイト等の各種媒体により、中国全土に伝えられた。また、旅行会社との共同広告を推進し、訪日旅行商品の露出増大を図った。
・北京の主要旅行会社では、放射性物質の問題に加え、日中間の航空路線の減便が長期化していることから、訪日需要は回復に向かっているものの、航空座席の供給数が不足している影響がマイナスに作用するとの見方をしている。
3.台湾
・8月13日、14日の週末に、台北市内の繁華街にて東北情報発信イベントを開催した。来場した3,000人以上の市民を対象に同会場で実施したアンケートによると、25%が東北に行ったことがあり、「秋の紅葉や温泉が最高」、「東北は家族旅行に向いている」等の賛辞が多く寄せられた。また、このイベントによって東北の状況が理解でき、80%が東北に行きたくなったと回答するなど、好意的な評価をいただいた。現在、9月以降再開する東北チャーター便は、ほぼ満席の見通しと伝えられている。
・夏の訪日旅行需要を後押しするための航空会社各社との共同広告等が奏功し、8月の訪日旅行者数は前年同月比で回復が進んだ。
・6月に実施したVJ教育旅行の現地説明会に続き、10月に実施予定のVJ教育旅行招請事業(10コース)では、80人の台湾教育関係者が来日の見込み。来年の教育旅行催行に向けても、引続き取り組んでいる。
・9月30日から10月3日まで台中市で開催される「TTF2011台中国際旅行展覧会」にVJブースを出展、10万人と予想される来場者に対して、訪日旅行の安全性PRと商品即売を行う予定である。
※JNTOでは、職員を交流協会台北事務所に派遣することにより、同事務所の協力を得ながら各種事業を遂行している。
4.香港
・6月に、香港で有名な司会者エリック・ツァン氏や芸能人40名を、東京・関西に招請した。その旅行の模様を、7月に5夜連続で香港の主要テレビ局で放映し、平均24.5%という高視聴率を記録した。発信力のある芸能人から普段と変わらない日本を伝えてもらうことで、安全・安心のPRや訪日意欲の高揚につなげることができた。
・新聞・雑誌の紙面に、旅行会社20社と約150回にわたり共同広告を実施した。訪日旅行商品の販売強化により旅行会社をサポートするとともに、訪日旅行商品を継続して紙面に露出させ、消費者に旅行地としての日本をPRし続けた。
・航空路線の減便や記録的な円高もあるが、香港の主要旅行会社では、8月の訪日旅行商品の販売実績は、前年の7割強まで回復している。
5. タイ
・5月から6月にかけて招請したメディアによる訪日観光に関する記事・報道の露出が継続しており、地上波テレビ局では12回シリーズの日本特集が放映中である。その他、タイの旅行会社に対する訪日旅行商品の広告支援により、広告の掲載件数・スペースともに増加しており、訪日旅行に対する不安感の払拭に繋がっている。
・8月に開催されたTTAA国際旅行博及びFIT旅行フェアにおいてVJブースを出展し、地方公共団体や民間企業と協力して訪日旅行の安全性と魅力をPRするとともに、旅行商品の即売を支援した。8月の旅行フェアでの売上げ実績(人数)も、ほぼ前年水準にまで回復してきた。
・8月31日に、タイ字日刊紙において、震災後の特別措置で日本行きの査証の延長手続きを取ったタイ人などを対象として、日本国大使とJNTOバンコク事務所長が訪日旅行を呼びかけるとともに、震災後に訪日したタイ人が撮影した写真を対象とする、Visit Japanフォトコンテストの開催を告知した。
・事業の効果や訪日旅行価格の低下により、訪日タイ人数は顕著に回復しているが、初めて訪日する者が増える一方、放射能問題に敏感な富裕層の回復が遅れているとの見方がある。
6. シンガポール
・8月末のNATAS旅行フェアにおける日本ツアーの購入者数は、前年に比べて6割まで回復している。旅行会社の反応や会場での問い合わせなどから、訪日旅行回復の手応えがあった。
・メディア招請やfacebookキャンペーンは、旅行会社の低価格プロモーションとも相まって、若い世代の友人・カップル旅行、中高年の訪日観光旅行の回復に寄与している。しかしながら、子供を連れた家族旅行については、放射性物質に対する不安が払拭されず、回復が遅れている。
・8月上旬にシンガポール人大学生100名による東北視察旅行は、成功裏に終了し、現在も口コミ等の波及効果が続いている。
7. オーストラリア
・8月23日~26日に実施した有力テレビ局の朝の番組での日本からの生中継は、400万人が視聴したと推定され、一般・業界双方から大きな反響があり、日本の食の安全性や観光魅力の伝達に効果的であった。
・日本へ招請された豪旅行会社からは、日本の安全性を確認でき、今後、積極的に訪日旅行商品を販売したいとの声が聞かれた。
・観光客向けに、秋以降の訪日旅行商品が出始め、冬季スキー旅行需要の高まりが期待される。
8. 米国
・メディアや旅行会社の招請により、様々な媒体に記事やコラムが掲載された。中でも有力旅行雑誌記者は8月末から3週間余にわたって滞在し、日々ブログにより日本の最新状況を生き生きとレポートしている。
・招請事業に参加した旅行会社の幹部は、自社媒体を含む複数の旅行メディアにて、訪日旅行の安全性を発信している。
・8月にラスベガスで開催された富裕層の旅行を取扱う旅行エージェントとの商談会で、米国・オセアニア・メキシコ・中南米の約320のエージェントとヒアリング及び情報交換を行い、訪日旅行の安全性をアピールした。
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