5 月の訪日外客数と東日本大震災後の訪日外客の動向及びJNTO の対応について
震災前後の訪日外客数の推移
3 月11 日に発生した東日本大震災後、主に放射能汚染への懸念から、各国では日本への不要不急の渡航を制限する勧告や、日本に滞在する自国民に退避を呼びかける勧告を発出し、旅行会社はツアーの催行や設定を中止しました。クルーズ客船の日本への寄港はキャンセルされ、航空便は放射能汚染への恐怖や需要の減少により、減便や運航中止が多く発生しました。また、訪日インセンティブツアーや日本での開催が決定していた国際会議についても中止が相次ぎました。
2010 年に過去最高の861 万人を記録した訪日外客数は、3 月は50.3%減(12 日~31 日は73%減)の35 万3 千人、4 月は62.5%減の29 万6 千人、5 月は50.4%減の35 万8 千人と激減した状況が続いています。
震災直後のJNTO の対応
JNTO は、主に日本に滞在中の外国人旅行者に向けて、震災当日夜よりツーリストインフォメーションセンター(TIC)への電話問い合わせへの24 時間対応を開始しました。当初の問い合わせは、緊急帰国関連が約5割、震災の影響関連が約4 割、原発事故への不安が約1 割といった内訳で、国内に限らず海外からの電話も目立ちましたが、その後は昼間のTIC への来訪者も、電話による問い合わせも、大きく減少しました。24 時間対応は4 月末まで継続しました。
また、震災当日夜から翌日にかけて、災害の状況や対応方法を知らせるウェブサイトを、英、中(繁体字、
簡体字)、韓の4 言語で立ち上げ、海外13 事務所のローカルサイトにおいても現地の旅行会社や消費者への
情報提供に努めました。
訪日外客の回復に向けて
海外では津波被害の悲惨な映像が繰り返し流され、日本全体が被災したかのような大げさで不正確な報道、福島第一原子力発電所事故の放射能漏れに関する恐怖を助長するような報道がなされていました。このことから、JNTO では交通の復旧状況や、国際機関による「日本への渡航は問題ない」というニュース、放射能の影響に関する情報など、海外の旅行会社や一般消費者に対して客観的で正確な情報の周知に努めました。また、日本人が普通に生活しており観光にも支障がないことがわかる動画をウェブサイトに掲載し、日本の「今」を発信してきました。
JNTOの海外事務所では、日本の状況を正しく理解してもらうため現地旅行会社や航空会社との意見交換会や在外公館他と協力したセミナーを数多く実施しました。観光庁や在外公館と連携し、各国の訪日渡航注意や自粛緩和への働きかけなども行ないました。国際会議についても観光庁長官やJNTO理事長名による支援レターの発出により、いくつかの会議は予定通り日本で開催されることとなりました。
各国による訪日渡航自粛や注意勧告は徐々に緩和され、日本に行くことにより日本の復興を応援しようという海外の旅行業界や一般消費者の動きにより訪日ツアーが再開され、少しずつではありますが、外国人旅行者が戻ってきています。JNTO では、観光庁、地方運輸局、地方自治体、関係事業者と連携して、一般観光ツアーの第一陣を空港で出迎え、歓迎の意を伝えました。
一部の市場では訪日旅行の代金の大幅な割引セールを行っていることも、訪日旅行の回復を後押しするものと考えられます。
5 月からは、観光庁をはじめ日本のインバウンド関係者と連携し、ビジット・ジャパン事業としてアジアや豪州における海外旅行博覧会に出展をしています。さらに、これから7 月まで、訪日旅行の本格的な需要回復を目指すため、ビジット・ジャパン事業の緊急対応事業として、主要15 市場のメディアや旅行会社を招請し、自ら日本の現状を視察し、また取材していただきます。
5 月の訪日外客数は4 月より減少幅が縮小しました。今後の福島第一原子力発電所や放射能汚染関連の状況如何にもよりますが、明るい兆しが見えてきています。
【補足・詳細】については、別紙をご参照ください。
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