2011年1月26日

『JNTO訪日外客訪問地調査2010』結果を発表

~訪日外客の訪問率、東京が12年振りに6割超えなど各地で軒並み上昇。訪日前の期待は2年連続で「食事」がトップ~

日本政府観光局(JNTO)は、訪日外国人旅行者を対象としたインタビュー調査であるJNTO訪日外客訪問地調査2010の結果をとりまとめました。本調査は、2010年2~10月に冬、春、夏、秋の4回に分けて、全国9空海港で実施したもので(回答者数21,342人)、昨年の訪日旅行市場の回復傾向が結果からも伺えます。主な調査結果は以下の通りです(詳細は別紙の通り)。

1.訪問率

① 全体傾向 【別紙図表3】
・2010年の都道府県訪問率上位は2009年から順位の変動はなく、東京都(21,342人中60.3%が訪問)、大阪府(26.1%)、京都府(24.0%)、神奈川県(17.8%)、千葉県(15.0%)、愛知県(10.9%)、福岡県(9.1%)。
・東京都への訪問率が、1998年度以来12年振りに6割を超えた(60.3%)。
・各都道府県への訪問率を足し上げた「延べ訪問率」は248.4%となり、過去5回の調査で最も高い率となった。訪日観光客の増加、特に複数の都道府県を周遊する中国人観光客の増加が延べ訪問率の増加に寄与した。

② 東アジア主要4市場および米国・英国の傾向 【別紙図表4】
・韓国: 2009年に韓国人旅行者減少の影響を最も強く受けた九州各県(大分県、熊本県、長崎県)の順位が大幅に上昇した。
・中国:中国人観光客に人気のゴールデンルートや北海道への訪問率の伸びが目立った。特に東京への訪問率は過去5回の調査で最も高い80.0%を記録した。また、主要市場では唯一、大阪府への訪問率が50%を超えた。
・台湾:立山・黒部人気の高まりを反映し、過去5回の調査で初めて富山県が上位15位に入った。
・香港:航空路線の運休などの影響で、福岡県が過去5回の調査で初めて上位15位を下回った。
・米国:観光客の比率が過去5回の調査で最高(28.3%)となったことなどから、京都府への訪問率が大幅に上昇し、過去5回の調査で初めて25%を超えた。また、同様に観光客に人気の長野県(13位)と石川県(15位)も、過去5回の調査で初めて上位15位に入った。
・英国: 1位の東京は過去5回調査で最も高い79.2%を記録した。また、米国と同様に観光客の比率が過去5回の調査で最高(40.6%)となったことなどを受け、山梨県(8.0%で7位)と長野県(5.5%で12位)が、訪問率でも順位でも過去5回の調査で最も高かった。

③ その他の主要市場の傾向 【別紙図表5】
・シンガポール:北海道への訪問率が主要17市場で唯一20%を超え、大阪府を上回る人気となった。
・豪州:学校休暇時期である9~10月に新潟を訪れる教育旅行が目立った影響で、過去4回の調査で0%~1%台だった新潟が上昇した(3.8%で15位)。この教育旅行は、東京都、京都府、広島県、大阪府、愛知県などと組み合わされて実施されるケースが多かった。
・イタリア・スペイン:奈良県、岐阜県、石川県などへの訪問率が平均よりも高かった。特に石川県はイタリア・スペインともに10位に入るなど人気が高かった。また、スペインは、主要17市場で唯一、上位10位までの訪問率が全て二桁に達しており、数多くの観光地を熱心に訪れる傾向が現れた。
・その他のビジット・ジャパン事業重点市場(タイ・マレーシア・インド・カナダ・フランス・ドイツ・ロシア):大きな変化は特になく安定している。いずれの市場も、上位5位までに東京都、大阪府、京都府、神奈川県、千葉県の5つのうち4つないし5つ全てが入っている。(17市場のうち例外は韓国のみで、韓国は九州2県[福岡県、大分県]が上位5位までに入った。)

④ 地方別訪日外国人の居住地構成 【別紙図表8】
・北海道や九州を訪れた旅行者の7割以上が東アジア主要4市場からの旅行者であった。
・特に九州は韓国市場のみで過半数を占めた。
・東アジア主要4市場からの旅行者の割合が低いのは中国、四国地方で、2割前後に留まった。これらの地方では欧米からの旅行者の比率が高かった。
・東南アジアからの旅行者の比率が最も高いのは北海道で全体の約1割を占めた。

⑤ 都市・観光地別訪日外国人の居住地構成 【別紙図表9】
・北海道の多くの観光地や立山、黒部、上高地などでは台湾からの訪日客が過半数を占めた。一方、九州の観光地では、韓国からの訪日客が過半数を占めるところが多く見られた。
・その他、韓国からの北海道ツアー客が日帰りで多く訪れた白老、米国からの商用客や親族訪問客が大半を占めた横須賀(神奈川県)、中国人団体ツアーが帰国前日に宿泊する場合が多い泉佐野(大阪府)の3つが、特定市場からの旅行者が過半数を占める特徴的な都市・観光地であった。

2.旅行者の特性

⑥ 訪日目的 【別紙図表10】
・訪日旅行市場規模の拡大により観光客の比率が6割弱(57.8%)を占め、過去5回の調査で最も高率となった(06年度:42.8%、07年度51.0%、08年53.0%、09年48.8%、10年:57.8%)。
・香港、台湾、韓国などのアジア市場では観光客の比率が高く、米国、英国、ドイツからの訪日客は、商用客の比率が高い傾向がある。
・スペインは、ヨーロッパの中では例外的に観光客の比率が極めて高い(69.5%)。

⑦ 観光客の訪日回数 【別紙図表11】
・観光客の訪日リピーター率は過去5年で初めて減少し(06年度:53.3%、07年度:54.3%、08年:55.3%、09年:56.4%、10年:52.9%)、初訪日の観光客が増加した。中国をはじめとする訪日旅行市場の裾野拡大が窺える結果となった。
・リピーター率が高いのは香港(82.3%)で、以下、台湾・韓国や東南アジアの率が高かった。
・一方で、ヨーロッパと中国からの観光客は初訪日の割合が高かった。

⑧ 観光客の旅行形態 【別紙図表12】
・観光客の6割(59.2%)が個人旅行で訪日した(06年度:60.5%、07年度:55.1%、08年57.5%、09年:63.8%、10年:59.2%)。
・最も個人旅行比率が高かったのは英国で(93.4%)、他の欧米豪からの観光客も大半が個人旅行者であった。
・一方で、最も団体旅行の比率が高いのは中国であった(80.9%)。

⑨ 観光客が訪日前に期待したこと (複数回答)【別紙図表13】
・「食事」(62.5%)が2年連続で1位となり、2位も前年と同じ「ショッピング」(53.1%)であった。
・「食事」は2009年に初めて1位(58.5%)となり、2010年にさらに増加し、初めて60%を超えた。
・3位から5位まではほぼ同率で、「歴史的・伝統的な景観、旧跡」(45.8%)、「自然、四季、田園風景」(45.1%)、「温泉」(44.3%)が並んだ。

⑩ 特に満足した食事は? (複数回答)【別紙図表14】
・人気の上位は「寿司」(44.0%)、「ラーメン」(24.0%)、「刺身」(19.7%)で2009年と同じであった。
・最も高い伸びを示したのはラーメンであった(前回調査から3.2%増)。
・「うどん」(10.8%)が「天ぷら」(9.7%)を上回り、4位に上昇した。
・2009年に続いて台湾ではラーメンが寿司を上回った。

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